居抜き物件コラム
AI時代に変わる不動産会社の価値
開業・出店
2026.08.23
AI時代に不動産会社の価値はどう変わるか AIの進化によって、さまざまな仕事のあり方が変わり始めています。 文章を作る。情報を調べる。大量の情報を整理する。比較…
AIの進化によって、さまざまな仕事のあり方が変わり始めています。
文章を作る。情報を調べる。大量の情報を整理する。比較する。資料を作る。
少し前まで人間が時間をかけていた仕事を、AIが短時間でできるようになりました。
これは店舗不動産の仕事も例外ではないと思います。
では、AIがさらに進化すると、不動産会社は必要なくなるのでしょうか。
私たちは、そうは考えていません。
ただ、不動産会社に求められる価値は、これからかなり変わっていくのではないかと感じています。
以前の不動産業界では、物件情報を持っていること自体に大きな価値がありました。
お客様が知らない物件を不動産会社が知っている。
だから不動産会社へ相談し、物件を紹介してもらう。
これが店舗探しの基本的な形でした。
しかしインターネットが普及し、現在ではお客様自身が多くの物件情報を見ることができます。
さらにAIが普及すれば、大量の物件情報を整理したり、条件を比較したりすることも、今まで以上に簡単になっていくでしょう。
そう考えると、
「情報を持っていること」だけで価値を出すのは、これから難しくなる。
これは私たち自身も意識していることです。
AIを使っていると、情報の整理や比較、文章の下書き、データの分析などは非常に得意だと感じます。
これまで人間が何時間もかけていた仕事を短時間で処理できることもあります。
それなら、AIが得意な仕事はAIに任せればいい。
大切なのは、AIを使うこと自体ではありません。
AIによって生まれた時間を何に使うのか。
ここだと思います。
単に仕事が楽になっただけでは、お客様にとっての価値は変わりません。
浮いた時間を、お客様との相談や物件の確認、より深い検討などに使って初めて意味があるのではないでしょうか。
例えば、飲食店を出店したい方から、
「この物件はどう思いますか?」
と聞かれたとします。
賃料、坪数、駅からの距離、周辺人口、競合店など、数字で分析できることはたくさんあります。
しかし実際の店舗探しでは、それだけでは判断できません。
この業態なら駐車場は必要ではないか。
この賃料を払うには、どの程度の売上が必要なのか。
周辺環境と業態は合っているのか。
設備投資を考えても、この物件を選ぶべきなのか。
数字上では条件に合っていても、現場を見ると印象が違うこともあります。
店舗の売却や閉店でも同じです。
いつ動き始めるのか。
どんな条件なら次の方につながる可能性があるのか。
設備や内装をどこまで残すのか。
貸主との調整をどうするのか。
こうした問題には、それぞれ事情があります。
AIが判断材料を増やすことはできても、現場のすべてをAIだけで判断できるわけではありません。
AIが普及すると、頭を使う高度な仕事ほど残り、人間が行う単純な仕事からなくなる。
以前はそんなイメージを持っていました。
ところが実際には、少し違うのかもしれません。
情報を調べる。
整理する。
比較する。
資料にまとめる。
こうした一見「頭を使う仕事」は、AIがかなり得意になってきています。
反対に、
お客様の話を聞く。
本音を探る。
現場を見る。
貸主と借主の間を調整する。
難しい条件の落としどころを考える。
最後に判断する。
こうした一見すると泥臭い仕事は、簡単にはなくなりません。
店舗不動産という仕事も、これからは情報を扱う仕事以上に、人と現場を扱う仕事としての価値が問われるのかもしれません。
もう一つ、私たちが最近特に重要だと感じているのが「経験の蓄積」です。
不動産会社には、毎日の仕事の中で多くの経験が蓄積されています。
しかし、その経験の多くは担当者の記憶の中にあります。
「あの地域ではこんな店舗が決まった」
「このくらいの広さなら、こんな業態に変わった」
「条件が難しかったけれど、こういう形で次につながった」
こうした経験は、本来とても価値のある情報です。
そこで私たちも、過去の成約実績などを少しずつ整理しています。
まだ、蓄積したデータをAIが自動的に分析し、すべての営業活動に生かせるような段階ではありません。
ただ、経験を記憶だけで終わらせず、次の判断に使える形で残すことは必要だと考えています。
一件一件は小さな経験でも、それが100件、200件と積み重なれば、将来大きな財産になる可能性があります。
「AIに仕事を奪われる」という話をよく聞きます。
しかし私たちは、
AIか、人間か。
という考え方そのものが少し違うのではないかと思っています。
AIが得意なことはAIに任せる。
人間にしかできないことは人間がやる。
そして両方を組み合わせる。
おそらく、これから重要になるのはこちらではないでしょうか。
店舗を探している方にとっても、店舗を売却したい方にとっても、最終的に必要なのは大量の情報ではありません。
「自分の場合はどうしたらいいのか」
という判断です。
その判断をするために、AIやデータをどう利用できるのか。
私たち自身も、まだ試行錯誤しているところです。
私たちも、AI時代の店舗不動産会社の完成形を持っているわけではありません。
物件情報をどう整理するのか。
過去の成約実績をどう生かすのか。
お客様が必要な情報へどうたどり着けるようにするのか。
AIをどこまで使い、どこから人間が判断するのか。
一つずつ考えながら取り組んでいる段階です。
ただ、一つ感じていることがあります。
これまでと同じように、
「物件情報を集めて、紹介するだけ」
では、これからの店舗不動産会社として十分ではないのではないか、ということです。
名古屋・愛知・岐阜・三重・浜松を中心に店舗物件を扱っていると、同じように見える案件でも一つとして同じものはありません。
だからこそ、AIで効率化できるところは効率化する。
データとして残せるものは残す。
そして人間は、お客様の話を聞き、現場を見て、考え、判断する。
私たちもまだ、その途中です。
AI時代に店舗不動産会社はどうあるべきなのか。
答えを知っているふりをするのではなく、実際の仕事を少しずつ変えながら、その答えを探していきたいと思っています。
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